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がん(癌)について、PM2.5や放射線など発がん性物質の影響、抗がん剤治療・放射線治療・ホルモン療法・免疫細胞療法について、がん検診の重要性【高橋メディカルクリニック 院長 高橋司先生】|病気や症状。治療や予防に役立つ 病院・医院・クリニック情報サイト『広島ドクターズ』
(この記事は2013年3月26日時点の情報です)

高橋司 先生(内科・外科)

知識として知っておきたい「がん(癌)」のこと

 
医療法人つかさ会 高橋メディカルクリニック
【住所】広島市中区大手町三丁目13-29 メディオコート大手町2F
【TEL】 082-504-1131
がん(癌)について、PM2.5や放射線など発がん性物質の影響、抗がん剤治療・放射線治療・ホルモン療法・免疫細胞療法について、がん検診の重要性|高橋メディカルクリニック|広島市中区大手町
消化器を中心としたがんの研究と治療に長年携わってきた経験を生かして地域の健康を守る高橋先生
 
日本人の死亡原因の第一位となっているがん(癌)。発症する人は年々増え続けており、誰もが注意したい恐ろしい病気ですが、これまでがんとは無縁な人にとって、自分や自分の家族ががん患者になることなんて想像もできず、実際にどんな病気で、どんな治療法があるのか、がんのことを知る機会は少ないと思います。
今回は、東大病院や米国ハーバード大学で最先端のガン治療研究に長年携わってこられた「医療法人つかさ会 高橋メディカルクリニック」の院長・高橋司先生に、がんの症状、治療、危険因子について分かりやすく説明頂きました。
検診の重要性はもちろん、新しいがん治療の話や、最近心配されているPM2.5や放射能のがん発症への影響なども伺いました。

日本人に多いがんは何ですか?

やはり数として多いのは胃がんですが、近年の食生活の欧米化で、大腸がんになる人の割合が増加しています。
胃がんが以前に比べて減少傾向にある背景には、冷蔵庫の発明が塩蔵保存の必要性を減らし、缶詰やレトルト食品、冷凍食品などの食品保存の技術が進歩したことで、日本人の塩分摂取量が減少したことが考えられます。その一方で、揚げ物や動物性たんぱく質の多い食品を食べる機会が増え、脂肪摂取量がぐんと高くなりました。当院では消化器系のがんを中心とした検診と治療を行っていますが、脂肪摂取量が関係する大腸がんや膵臓がんにかかる人が右肩上がりに増えているのが実状です。また、女性の肺がんも近年増加傾向にあります。

女性特有のがんも増えているそうですね。

女性の晩婚化が進み、生涯出産をしない人が増えたことに比例して、乳がんや子宮がんなどの婦人科系のがんにかかる人が増えています。出産の適齢期に母乳を与えるべく準備できた体が、それを本来使うべき年齢の時に使わず通り越してしまうと、「退行変性」といって年齢が進むにつれて細胞の機能が低下し、本来の働きをしなくなることがあります。一概には言えませんが、結婚をされていない方、出産をされていない方、母乳を与えていない方の順番で、子宮がんや乳がんになるリスクはやはり高くなると考えられます。

自分でがんに気づくことはできるのですか?

「がんになったら痛いんでしょ?」と、よく質問されますが、痛みが出てくるのはかなり進行した状態であって、いわゆる早期の病変では全くと言っていいほど自覚症状はありません。今、その瞬間に新しいがん細胞の芽がポッと出てきたとしても何も感じないし、腫瘍マーカーで血中に現れる異常なタンパク質を測定してがんの発見につなげていくにしても、それはある程度がん細胞が育ってからになります。
それでも、がんによっては、早い段階で自分で気づきやすいものもあります。たとえば、乳がんです。当院ではマンモグラフィーによる検査を行っておりますが、8、9割の方がご自分でしこりに気づかれて、検診を受けに来られます。
また、血便で大腸がんが発見できることもあります。ただ、痔の持病がある方は、血便に気が付いてもいつものことだと見過ごしてしまい、かえって受診が遅れるケースもありますね。
がんは体の深部臓器になればなるほど分かりにくく、自覚症状をもって早期発見することは難しいです。少しでも早い段階でがんに気付くためには、やはり定期的に検診を受けることが一番ですね。

がんの検査はどのように受けたらいいのでしょう?

頭からつま先まで全身隈なくやみくもに検査するのでは、それこそきりがないし、費用もかかってしまいますから、ご自分の年齢や生活習慣に応じて、毎年検査するものと数年に1回検査するものを分けるのが望ましいと思います。あと、おばあちゃんもお母さんも乳がんにかかったという方でしたら、それもリスクファクターと考えて、他の部位よりも積極的に乳がん検診を受ける方がいいでしょう。
自分にとって有効ながん検診が分からない時は、ホームドクターに相談してみるのも一つの手です。他の持病で通院しているかかりつけの医師がいれば、ご自分の体にあった検診メニューを考えてもらうといいでしょう。

がん治療についてお聞かせください。

手術によってがんを切除する「外科療法」、抗がん剤を用いた「化学療法」、X線や重粒子線などの放射線を照射する「放射線療法」が代表的ですが、他にも「ホルモン療法」や「免疫細胞療法」など治療の選択肢はいくつかあります。
外科手術を受けた後に、放射線治療や抗がん剤治療で再発しない状態に持っていけたらいいのですが、人によっては薬が合わなかったり、放射線治療や抗がん剤に非常に強く反応してしまう方もいます。女性であれば、抗がん剤の副作用による脱毛や、ホルモン療法によって起こる様々な体の変化がつらくて、精神的な理由から治療をためらうこともあります。「自分に合う方法がなければ、何も治療ができないの?」と、術後に不安を抱く方に心強いのがセカンドオピニオンの存在であり、また近年では、患者さん自身の細胞を使ってがんを治療する「免疫細胞療法」が新たな治療として注目されています。

「免疫細胞療法」とはどのようなものですか?

リンパ球などの免疫細胞には、菌やウイルスの侵入をバリアし、体の中の異常を排除する機能が備わっています。遺伝子が傷ついて体に異常細胞ができると、それは本来そこにあるはずのない異物ですから、免疫機構がその異物を監視し攻撃し排除して、私たちの体をがんから守ってくれるのですが、その免疫のメカニズムがもともと弱い人がいます。また、がんを患った人は免疫力が著しく低下してしまいますから、免疫機構の監視が弱くなることで、がん細胞が活発化して、がんが増殖してしまいます。
「免疫細胞療法」とは、患者さんの血液から採取したリンパ球を活性化させてから体に戻し、体の中にできた異常細胞を監視する免疫機構を強くすることで、がんに対する抵抗力を作るといった治療です。抗がん剤のように毒を持ってがんを弱らせるのも一つの考え方ですが、本来その人が持っている免疫力を高め、自分の免疫細胞で自分にできた異常な細胞と闘わせようというものです。
免疫細胞療法は、ほぼ全てのがん治療で適用可能ですし、抗がん剤や放射線療法など他の治療と併用することもできます。自分自身の細胞を増殖・活性化して用いるため、免疫細胞の活性による微熱が稀に見られること以外、副作用の心配はありません。
ただ、保険適用でないためコストの問題がありますので、治癒力を生かしたがんの治療法があるということを、一つの選択肢として知っておいてもらえたらと思います。

がん(癌)について、PM2.5や放射線など発がん性物質の影響、抗がん剤治療・放射線治療・ホルモン療法・免疫細胞療法について、がん検診の重要性|高橋メディカルクリニック|広島市中区大手町
マンモグラフィーや消化器内視鏡など最新の医療機器の導入により、総合的ながん検診、外来化学療法などに対応
 

PM2.5や放射能など、がんへの影響が言われていますが。

がんに関して、明らかに発がん因子と認められているものは、大腸がんと膵臓がんであれば脂肪摂取量、肺がんであれば喫煙、胃がんであればヘリコバクター、ピロリ菌、この3つとされています。
最近ではPM2.5とがんの関係が叫ばれていたり、特に震災後は放射能による発がんへの影響が心配されています。また、昔から「焦げた物を食べるとがんになる」など、いろいろなことが言われていますが、それらが発がん物質であったとしても、それをどのくらいの量を何年間、体内に摂取し続けることで発がんするのかは、正確なことは実は誰も分っていないのです。
放射能の影響を恐れるあまり、CT検査を極端に控えて正確な診断ができないのではかえって良くないし、PM2.5で大騒ぎしたり、焦げた物を必要以上に警戒する以前に、喫煙ルームの空気の方がずっと悪いので、そちらを注意する方が先です。もちろん、持続して体内に入る環境にあったら問題ですが、一過性のものでしたら神経質になり過ぎる必要はないと思います。
そして、これはがんに限らずその他の病気でも言えることですが、やはり人間の体の基本は、「睡眠」と「食事」と「運動」。この三つの大きな基盤があるうえに知的活動しているということを根本的に考えれば、規則正しい生活の中でバランスのとれた食事と適度な運動を行うことが、病気にならないために何よりも大切であると思います。

診療を通じて感じていることはありますか?

発がんのメカニズムは少しずつ分かってきてはいますが、まだまだ解明されていないことが数多くあります。
発がんには、私たちが日々生活する中で受ける感染症やウイルスが影響しているのではないか? あるいは本当に目に見えない放射線の被ばくを、私たちは知らないうちに受けているのではないか? 
同じ乳がんでも年代別で見ると、閉経する前と閉経後にそれぞれピークがあり、はたしてこれは同じ原因でできたがんなのか? 若くしてなる乳がんには何らかの遺伝子の傷つきが早くから起きているのではないか? また、胃がんに関しても「スキルス胃がん」のように若い人に多いものと、高齢者に多い胃がんとでは全く異なる性質のものではないのか?
未だ分からないことが多いがん治療だからこそ、患者さんの訴えに耳を傾けることが大切だと考えています。検査をしても異常が見当たらないが、患者さんが不調を訴えているといったような時、もしかしたら非常に見つけにくい微小ながんがそこにあるのかもしれません。「気のせいでしょう」「そのうち良くなるでしょう」と言うのではなく、患者さんの訴えを聞くことを診療の基本にしています。
今後も、ライフワークと言えるがん治療に力を注ぎ、患者さんの健康を守っていきたいと考えています。

医師のプロフィール

高橋司先生

●岡山大学医学部医学科卒業
●東京大学外科研修医
●東京大学外科
●文部技官
●東京大学医科学研究所外科助手
●東京大学医科学研究所
●米国ハーバード大学留学
●聖ヶ丘病院 院長
●河北総合病院

‐所属学会・資格‐

・医学博士
・日本外科学会指導医
・産業衛生指導医
・日本消化器病外科学会認定医
・日本消化器内視鏡学会認定医
・日本癌学会会員
・日本癌治療学会会員
・臨床外科医学会会員
・日本免疫学会会員

 

 
 

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