(この記事は2013年3月19日時点の情報です)
前田秀朗 先生(歯科)
「顎顔面治療」で、あごの正しい成長を促し、歯を本来の正しい位置に
前田歯科
【住所】広島市安佐南区上安2-4-39MGビル3F
【TEL】 0120-960-457

患者のニーズに応えるため、治療技術・知識の習得に余念がない前田院長
子どもの歯から大人の歯へ生え変わる時期、顎の骨も活発に成長します。ですが、近ごろでは、顎の未発達が原因で歯並びに問題がある子どもが増えていると言います。
矯正治療と言えば歯並びをきれいにするイメージですが、その根本的な原因から解決する「顎顔面矯正」があるのをご存知ですか? 顎骨の成長を促し、顎全体のバランスを整えることで、本来の正しい歯列に導く子どもの矯正治療があるんですよ。
今回は、「前田歯科」の院長、前田秀朗先生に、顎顔面矯正について伺いました。
成長段階にある子どもだからこそ効果的な治療法があることを、是非知ってもらいたいと思います。
歯並びが悪くなる原因は何ですか?
今、歯並びの悪い子どもが増えています。その原因として、顔の筋力の低下や顎の未発達な子どもが増えたからだと言われています。
子どもの歯は6、7歳頃に大人の歯に生え変わりますが、永久歯は乳歯よりもサイズが大きいので、きれいな歯並びで生えるためには、乳歯よりも広い顎のスペースが必要です。顎が小さくてスペースが不足していると、永久歯が変な位置から生えてきたり、斜めに重なり合って生えてしまいます。永久歯の生える場所が狭くて、生え変わりが遅くなってしまう子もいます。
たとえば、歯を自動車、顎を駐車する車庫だとイメージしてください。軽自動車の乳歯がぎりぎり入った狭い車庫に、それより大きな普通自動車の永久歯を入れようと思っても入らないですよね。
しかも、顎の小さい子どもが増える一方で、子どもの歯の大きさは昔よりも大きくなりました。たまに、子供のすきっ歯を気にされるお母さんがいますが、永久歯の生えるスペースがちゃんと確保できるので、乳歯の時から隙間なくピチピチに生えているよりもいいことなんですよ。
スペースが十分ないことで歯並びに悪影響を及ぼすのですね。
大人になってから矯正治療をする場合、歯を抜いてスペースを作り歯全体にワイヤーをかけて歯を移動させますが、それでは本当の原因は解決しません。歯並びを根本から解決するには、骨格全体を改善することから見直す必要があります。
「顎顔面矯正」とは、顎骨全体を本来成長するべき状態に導くことで、正しい歯並びを作っていく方法です。乳歯のうちに顎を広げる治療を行って、永久歯が正しく生えるスペースを作り、不正咬合の芽を摘み、本来の正常な機能、発達へとつなげていきます。
顎顔面矯正とは、見た目の美しさを追求する歯列矯正ではなく、成長段階にあるお子さんの顎全体のバランスを整えていくものです。
具体的にどのような方法で行うのですか?
顎顔面矯正は、第1期治療といって歯が生え変わる顎の成長期に行います。不正咬合のほとんどのケースで上顎骨の発育不足がみられるため、上顎骨の成長が止まる10歳までに治療を行います。
治療方法は、歯の裏側に「急速拡大装置」という特殊な装置を付けて顎骨を広げていきます。成長期の上顎骨は正中の縫合部が骨化していないため拡大が可能です。成長をコントロールする「仮骨延長」という方法で、広げた上顎の骨と骨との間に新生骨を増生させながら、上顎骨を正しい位置に誘導していきます。骨折した箇所をギブスで固定すると、骨の成長が促され骨折が治っていきますよね。それと同じ理屈です。
成長段階の骨は柔らかいのでいい状態にコントロールしやすく、短い期間で矯正できます。骨の成長が止まってしまうと骨格改善が難しくなってくるので、治療のタイミングは早ければ早いほど効果が高く、できれば小学校に入学する前が理想的ですね。
顎顔面矯正とは、お子さん自身の成長が手助けをしてくれる矯正治療なのです。
顎顔面矯正は歯並び以外にもメリットがあるそうですが。
顎骨が未発達のままだと、体にさまざまな影響を及ぼします。
上顎が小さいと鼻腔が狭く、鼻呼吸がしづらい状態なので、口呼吸をするようになります。姿勢が悪く、いつも口をぽかーんと開けている子には、顎骨が未発達の子がやはり多いですね。鼻づまり、いびきをかく、ぜんそくのほかに、無呼吸症候群の症状が出てしまう子もなかにはいます。鼻呼吸だと鼻のフィルターを通してあったかい空気が入ってきますが、口で息をしているとばい菌が直接喉に触れて炎症を起こして、風邪を引きやすくなります。また、舌の動きにも支障が出るため、滑舌が悪かったり、上手く咀嚼ができないといったこともあります。
顎の骨の拡大で鼻腔や気道が広がると、こうした体のさまざまな不調が改善されることが期待できます。
装置を付けるのを嫌がる子はいませんか?
確かに最初は口腔内に違和感があり、吹奏楽器が吹きにくいなど多少は不都合もありますが、食事や歯磨きは普通にできますし、子どもは適応力が高いのですぐに慣れますよ。実は私の3人の息子も顎顔面矯正をしたことがありますが、意外と平気でした。
来院間隔は装置のねじを広げていく間隔によるので変則的に来てもらうこともありますが、ひと月に1回くらいです。

院内には最新の治療機器を取り揃え、幅広い診療内容で地域の患者の歯の健康を守っている
顎顔面矯正というのは他の歯科でもやっていますか?
昔からある治療法ですが、顎顔面矯正をやっている医院はそれほど多くはないかもしれません。矯正治療では、ワイヤーを使った機能矯正が一般的な方法ですが、その方法ではどうしても治せない症例もあり、その子どもたちを何とかしてあげたいという思いから、顎顔面矯正の技術を習得し取り入れました。
顎骨が発育途中にある子どもの場合、成長が矯正治療を後押ししてくれるので大人よりも制約が少なく、根本的な問題を解決しながら歯並びを整えていくことが可能です。これから先、健康に過ごせることを考えると、骨が柔らかい成長期を利用して矯正治療をすることは、その子の人生を長い目で見た時に、けして間違った選択ではないと思います。ただ、お金も時間もかかることですから、無理に進めることはしませんが、成長段階にある今しかできない治療があるということを、是非知っておいてもらいたいと思います。
医師のプロフィール
前田秀朗先生
●奥羽大学歯学部卒業
●広島大学歯学部 口腔外科勤務
●山根歯科医院勤務
●赤坂通り保坂歯科クリニック勤務
●国際デンタルクリニック勤務
●呉駅前矯正歯科クリニック勤務
‐所属学会・資格‐
・広島SJCD
・中四国JIADS
・HFA(広島ファンクショナルアプライアンス)
・さんぼく会
・YES(横山エンドセミナー)講演会 勉強会
・OJ(Osseo integration Study Club of Japan) 正会員
・日本口腔インプラント学会
・日本顎咬合学会 かみ合わせ認定医
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