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咳(せき)が出る病気には、風邪、喘息、咳喘息、アトピー咳嗽、副鼻腔気管支症候群、逆流性食道炎、肺炎、マイコプラズマ肺炎、百日咳、誤嚥性肺炎 結核、COPD、肺がんなど【大橋内科医院 副院長 大橋信之先生】 | 病気や症状。治療や予防に役立つ 病院・医院・クリニック情報サイト『広島ドクターズ』
(この記事は2013年4月8日時点の情報です)

大橋信之 先生(内科)

咳が出る病気はいろいろ。長引く咳はかかりつけ医に相談!

 
大橋内科医院
【住所】広島市中区白島中町11-10
【TEL】 082-221-8933
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待合室には「がんよろず相談医」のポスターが。肺がん治療の専門知識を生かし、患者の気持ちに立った診療を行う大橋先生
 
咳(せき)は、誰にでも起こる自覚しやすい症状です。最も多いのは、風邪を引いた時のコンコンといった乾いた咳ですが、3週間以上経っても咳が治まらないというのはちょっと心配。風邪が長引いているだけではなく、何かほかに原因があるのかもしれません。
今回は、呼吸器内科がご専門の「大橋内科医院」の副院長・大橋信之先生に、「咳」をテーマにお話を伺いました。咳の種類や咳が出る病気について、分かりやすく説明して頂きましたよ。
また、大橋先生が力を入れている「緩和ケア」や、今年3月に広島県でスタートした「がんよろず相談医」制度の話も伺いました。広島の方にぜひ知っていただきたい内容なのでご一読を。

咳はどうして出るのでしょう?

咳(せき)は医学用語で「咳嗽(がいそう)」と呼ばれ、肺や気管支に何らかの異物が入った時に、これを排除しようとする生体防御機構のひとつとして起こるものです。気管の中には「咳受容体」と呼ばれる咳のセンサーがあるのですが、ホコリ、化学物質、ウイルス、アレルギー、炎症、腫瘍などの刺激をセンサーが受けることで、反射運動である咳が起こります。
咳にもいろいろなタイプがあり、健康であっても生体防御反応として出る咳もあれば、何らかの病気が原因で咳が長引くこともあります。
咳が出る病気はたくさんあり、咳の症状だけで診断するのは難しいのですが、「乾いた咳(乾性咳)なのか、痰を伴う湿った咳(湿性咳)なのか?」「どれくらいの期間、咳が続いているか?」「どういった時に咳が出やすいか?」など、咳の様態を診ていくことで、適切な治療や咳の裏に隠れている病気が見つかることがあります。
咳がきっかけで受診される方が多いように、咳は自覚しやすい身近な症状ですので、知識として咳のことを知っておくだけでも「これはいつもの咳? それとも心配な咳?」と不安になった時の参考になるのではないでしょうか?

どれくらい咳が続いていたら、受診するべきですか?

日本では8週間以上続く咳を「慢性咳(咳嗽)」と定義していますが、8週間と言ったら2か月以上ですよね。風邪の咳が長引いたとしてもせいぜい3週間までなので、それ以上咳が続くような場合は、何かほかに原因があるのかもしれません。「風邪が長引いているだけだろう」と放っておかず、受診してもらいたいと思います。
また、咳は1回出るごとに2カロリーの体力を消費すると言われています。ただでさえ病気で体力が必要な時に何度も咳込み、夜も咳が出て眠れないということが3週間以上続くとなると、かなりの体力を消耗して回復が遅れるばかりか余病につながる可能性もあります。それに外出先や職場でゴホゴホ咳をしていると、「移るんじゃないか?」って周りの人に嫌がられますよね。
咳が続けば周囲の目も気になるし、仕事や読書にも集中できません。それに原因が分からないまま咳が続くのは誰でも不安ですから「長いな、おかしいな?」と感じたら、医療機関を受診することをおすすめします。

咳の症状で受診する患者で多い病気を教えてください。

咳で診察に来られる患者さんで一番多いのはやはり風邪ですが、「咳喘息(せきぜんそく)」の方も多くいらっしゃいます。咳喘息とは、気管支が様々な刺激に対して過敏に反応することで咳の発作が起こるもので、冷気やタバコの煙を吸い込んだり、香水の香りをかいだり、緊張したりすると咳が出ます。気管支喘息のような「ゼーゼー、ヒーヒー」という喘鳴は出ず、コンコンといった乾いた咳が続くのが特徴で、女性に多い傾向があり、しばし再発を繰り返すことがあります。風邪は治っているのに咳が治まらないといった場合に多く、咳喘息の約3割の方が本格的な喘息に移行してしまう可能性があるので注意が必要です。
また、咳喘息と並んで日本人に多い病気として「アトピー咳嗽」があります。アトピー体質の人に多いもので、症状は咳喘息と似ていますが、こちらは喘息には移行しないと言われています。咳喘息と同様に風邪を引いた後など長引く咳に悩まされます。
あと、これらに続いて日本人に多いのが「副鼻腔気管支症候群」による咳です。鼻と気管支は連動しているので、副鼻腔の症状が気管支に影響して咳が出やすくなります。また、近年の食生活の欧米化で「逆流性食道炎」という、胃酸が逆流することで生じる病気から咳が出る方も増えています。

咳が出る病気は他にどんなものがありますか?

急激な発熱を伴い、痰がからんだ湿った咳が続く場合は、「肺炎」の可能性もあります。肺炎の中には「マイコプラズマ肺炎」のように、空咳が続く場合もあります。マイコプラズマ肺炎は子どもや若い世代に多いのですが、逆に高齢の方に多いのは「誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)」で、飲み込みの障害により口の中の細菌が肺に入ることで肺炎を引き起こしてしまうことがあります。寝たきりの人やご高齢者のいるご家庭は、お口の中が清潔に保たれるように家族の人が注意して見てあげてください。
肺炎の他にも、「COPD(慢性閉塞性肺疾患)」「肺がん」など、肺に関係する病気が原因で咳が続くことがあります。
また、マイコプラズマは肺炎ばかりでなく、「かぜ」の原因にもなりますし、熱がそれほど上がらない場合もあるので注意が必要です。その他、咳が出る疾病の中に「百日咳」「結核」といった、人から人へ感染する伝染病も多くあります。感染を拡大させないためにも、咳が続くようでしたら早めに受診して頂けたらと思います。
最近受診される方の中で、PM2.5や黄砂が、長引く咳の原因になっている可能性もあるように思います。

市販の咳止め薬で症状を抑えるのは良くないことですか?

成分的に何か問題があるということはありません。ただ、咳の症状の裏側に何か大きな病気が隠れていた場合、発見が遅れてしまうケースがありますので、やはり3週間以上、咳が続くようでしたら一度受診して、咳が何から来ているものか診断してもらう方がいいと思います。診断がつけば「怖い病気じゃなくて良かった」と安心できる場合もありますし、咳の原因が分れば、より適切な治療が受けられます。
「咳だけで他に症状はないのですが…」と、申し訳なさそうに受診される患者さんがおられますが、そこはどうか遠慮なさらないでください。地域のかかりつけ医の役目は、病気の治療や症状緩和を含め、患者さんの健康に対する悩みを解消するお手伝いをすることです。私も、勤務医時代は呼吸器疾患や肺癌を中心としたがん診療に携わっていましたが、5年前に父親である院長が開院したこの医院に移ってからは、地域の患者さんに寄り添った医療を提供し、在宅診療や緩和ケアにも力を入れています。日々の生活の中で、健康について不安なこと、困っていることがありましたら、些細なことでも構いませんので、地域のかかりつけ医師に相談してください。

「緩和ケア」とはどういったものですか?

「緩和ケア」と聞くと、末期がんの方が受ける治療といったイメージがあるかもしれませんが、決してそうではありません。がんの療養中は痛みや倦怠感といった身体的苦痛のほかに、がんと告知されたことによって気分が落ち込み、治療や再発予防への意欲にかかわるようなこころの痛みを感じている患者さんもたくさんおられます。
がんと向き合う患者さんが生きる希望を失わないで、より自分らしく生きられるように、がん療養に伴うさまざまな苦痛をやわらげ、患者さんとそのご家族の生活の質を向上させていくのが「緩和ケア」なのです。
患者さんの中には、例えばだるさや不眠といった体の不調があっても、「がんとは関係ないと思われる症状は、がんの専門医に相談しづらい」と、1人で我慢してしまう方もいますが、患者さんとがんの専門医との間に信頼できるかかりつけ医がいれば、日常の些細な症状も気軽に相談できて、幅広い対応が可能です。私自身、がん治療に長年携わってきた経験を生かして、患者さんががん治療の病院で聞けなかった疑問や治療に対する迷いがあればできる限りお答えし、また医学的な側面だけでなく、患者さんが生活の中で感じている様々な不安にも耳を傾け、患者さん1人ひとりに合わせた診療を心がけています。実はこの「緩和ケア」はがんに限らず、様々な病気にもあてはまるものなのです。
現在は当院休診である木曜日午後には毎週広島赤十字・原爆病院へ出向いて、がん診療のサポートなどをしながら、非常勤医師として緩和ケアチームで活動していますが、「患者さんの自分らしい人生」を目指す緩和ケアの取り組みは、今後広がっていくと思われます。

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昭和41年の開院以来、地域に根付いた医療を提供し続ける。在宅診療や緩和ケアにも力を入れている
 

地域のかかりつけ医としての思いをお聞かせください。

今年3月に、広島県で「がんよろず相談医」の制度がスタートしました。がんの早期発見・早期治療を目指して、地域の開業医が検診を受けるよう勧めたり、がんの予防策をアドバイスするもので、現在373名の医師が登録しています。
がん検診の受診率を高めることを目的に、身近なかかりつけ医から検診を推奨していこうといった試みなのですが、がん検診に限らず地域とのつながりをより深め、病気を早期に食い止めて地域の健康を守っていくことは、かかりつけ医の重要な役目だと感じています。

医師のプロフィール

大橋信之先生

●昭和大学医学部卒業
●広島大学第二内科大学院修了
●吉島病院、セントラル病院、中国労災病院、広島赤十字・原爆病院(呼吸器科副部長/呼吸器内視鏡室長)


‐所属学会・資格‐
・医学博士
・日本内科学会総合内科専門医
・日本呼吸器学会呼吸器専門医
・日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医
・日本がん治療認定医機構がん治療専門医/暫定教育医
・日本緩和医療学会・暫定指導医
・NPO法人「広島がんサポート」会員
・広島赤十字・原爆病院呼吸器科 非常勤医師/緩和ケアチームメンバー

 

 
 

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