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自律神経失調症や更年期障害からくる頭痛、動悸、イライラする、ほてりといった不調には、オーダーメイドの治療ができる漢方療法で体質改善【天野医院 院長 天野雅夫先生】|病気や症状。治療や予防に役立つ 病院・医院・クリニック情報サイト『広島ドクターズ』
(この記事は2013年5月23日時点の情報です)

天野雅夫 先生(精神科・内科)

自律神経や更年期にはオーダーメイドの治療ができる漢方療法

 
天野医院
【住所】広島市中区西白島町7番31号
【TEL】 082-221-0121 
自律神経失調症や更年期障害からくる頭痛、動悸、イライラする、ほてりといった不定愁訴には、オーダーメイドの治療ができる漢方医療で体質改善|天野医院|天野雅夫 先生
オーダーメイドの「煎じ薬」も保険適応で処方。精神疾患や不定愁訴で悩む多くの患者が天野先生を頼りにしている
 
こんなにしんどいのに、病院で診察を受けても「あなたは病気ではありません」という診断。病気ではないため、「ちょっと様子をみましょう」ということになったけど、頭痛、動悸、イライラする、疲れが取れない、そんな体の不調が続いたまま…。どうしたらいいの?
自律神経失調症や更年期障害などの、はっきりとした原因が分からない症状を解消する有力な治療法として注目されている漢方療法。今回のレポートは、漢方の専門医である「天野医院」の院長、天野雅夫先生に、漢方についてお話を伺いました。
西洋医学と東洋医学の両方からのアプローチで、精神科と内科の治療に取り組む天野先生の記事からは、漢方のことが分かるだけでなく、患者さんの苦しみを少しでも救っていきたいといった熱い思いも伝わってきますよ。


漢方医学とはどういったものですか?

何か症状があって病院で診察を受けると、問診や検査を行い、何の病気なのか診断されます。そして病名がつくと、悪いところを治すための治療が始まり、症状を抑えるためのお薬が処方されます。「眠れない」と訴えれば睡眠薬、「頭が痛い」と訴えれば頭痛薬、肩こりがひどければ筋弛緩薬、不安を和らげ気分を落ち着かせるためには安定剤が処方され、患者さんは症状によっていろいろなお薬を服用し、時には複数の科を受診しなければなりません。
病名から入り、悪いところを部分的に治していく現代の西洋医学の考え方に対し、漢方医学(東洋医学)では不調の原因を根っこの部分から改善することで、体のバランスを整え、免疫力を高め、その悪い原因から枝葉のように体のあちこちに現れていた症状を解消していきます。悪い元となるものを断ち切れば、主症状がなくなるばかりか、風邪を引きにくくなったり、肌荒れが治ったりと、体質だと諦めていた思いがけない部分まで改善されることもあり、漢方医学は「おつりのくる医学」とも言われています。
病気の本質に迫るように、体質を改善していくのが、東洋医学の考え方なのです。


どんな症状に漢方は有効ですか?

頭が痛い、イライラする、倦怠感、めまい、ほてり、動悸などの自覚症状があるにも関わらず検査を受けても明白な器質的疾患が見られない。このようなものを「不定愁訴(ふていしゅうそ)」と呼びます。
病気に応じて治療を行う西洋医学だと、診断がつかない場合は「とりあえず様子を見ましょう」ということになります。言い換えれば、「何の病気か分からないので治療ができない」ということなんです。他に病気が見当たらないため、「更年期障害でしょう」「自律神経失調症でしょう」という診断になり、適切なアプローチがされないまま、辛い症状を我慢して過ごされている方が大勢いらっしゃいます。
実は自律神経失調症や更年期障害というものは日本特有の概念で、西洋医学ではこれに相当する病名は見あたりません。もちろん、外国の人も年齢に応じて様々な不調が現われるのは同じですが、世界的にはあまりクローズアップされません。「何の病気か分からない」と言われるのも不安ですが、「更年期障害」「自律神経失調症」などの病名を付けることで、かえって治らない病気として位置付けてしまっているような、そんな印象が日本では見受けられます。
一方、東洋医学では体のアンバランスな原因を探り、それを根っこから治していくという考え方ですから、病名も専門科も関係ないんですね。言葉は悪いですが、西洋医学がさじを投げてしまう自律神経のバランスの乱れに対しても、患者さんの苦痛をひとつひとつ丹念に拾い上げていき、何らかのアプローチをしていくことができます。

自律神経のバランスが崩れてしまう原因は何ですか?

自律神経とは自分の意思とは関係なく、体の機能をコントロールしている神経のことを言います。活動するための「交感神経」とリラックスするための「副交感神経」の2つからなり、正反対の働きをするこれらの神経は、昼間は交感神経が働いて副交感神経はお休み、寝る頃には副交感神経が働いて交感神経がお休み、といったリズムを毎日繰り返しています。このペースが乱れてしまうと、体のあちこちに不調が現われてきます。
自律神経のバランスが崩れる原因としては、ストレスや年齢があげられますが、季節の変化といった環境要因も関係します。
昔から春の「木の芽時」は、体に不調が起こりやすい時期だといわれています。一年を通じて春先は、自律神経の起伏が大きくなる時期で、神経の交換が乱れがちになります。秋口も同じことが起こりやすくて、体調を崩したり、精神的に不安定になる人が多く、病気になったのではないかと心配して慌てて受診される方もいらっしゃいます。
内部的要因や外部の環境に影響して崩れてしまった自律神経のバランスも、漢方ではその人の体質から見極め、根本的な原因から改善して整えていきます。

体質はどのように見極めていくのですか?

体質診断では、脈を取り、舌の状態を確認し、腹診を行います。これら一連の診断手順でその人の体質を調べることを「証を取る」と言い、その方の証に応じて生薬をブレンドし、体質を改善する漢方薬を処方していきます。
病名や症状が同じでも、証(体質)は患者さん1人ひとりで異なりますから、10人いれば10通の漢方薬を使い分けることになります。その人だけに合ったオーダーメイドの治療を行えるのも漢方のいいところです。
漢方では病名よりも症状が大事、症状よりも体質を見極めることが大事です。「証」に応じた漢方薬を処方して、その人の体質から解決の糸口を見つけていく「随証治療(ずいしょうちりょう)」というのが、漢方独特の概念です。

漢方薬についてお聞かせください。

漢方薬は大きく分けて二種類あり、「エキス製剤」と、生薬(薬草)を煮出す「煎じ薬」があります。
エキス製剤は生薬を煎じて濃縮乾燥させたもので、コーヒーに例えるとインスタントコーヒーのようなものです。数種の製薬会社がエキス製剤を出しており、どの医師でも処方することができますし、風邪に効果がある「葛根湯」などは、薬局やドラッグストアでどなたでも買うことができます。粉末状なので携帯でき、服用も楽にできます。
一方、生薬を煎じて飲むものは、焙煎コーヒーに例えれば分かりやすいと思います。コーヒーを豆から炒って、ブレンドして、好みの味を作るように、患者さんの証(体質)に合わせて生薬を調合しますので、その方だけに合う特別なレシピの漢方薬を処方することができます。同じ「葛根湯」をお出しする場合でも生薬の配合は十人十色で、体質に合わせたオーダーメイドの「葛根湯」になります。
煎じ薬は生薬を煮出したものを飲みます。有効成分が抽出された、濃厚な野菜スープを飲んで頂く感じですね。これを飲みながら体のバランスを整えていき、少しずつ体質を改善していきます。
生薬は取り扱いが難しいため、漢方の専門医のいる病院で処方してもらうことになります。


お味の方が心配です。やはり苦いのですか?

生薬は実に不思議で、体が必要であればとても美味しく感じます。おかわりをしたくなるほど美味しく飲めるのですが、悪いものが抜けて体がもう必要ないと感じたら、とたんにまずく感じることがあります。
典型的な方でしたら、「昨日まであんなに美味しかったのに、先生、今日は何か違うものを混ぜたのですか?」と聞かれたこともあるほどです。漢方は自然の影響をダイレクトに受けやすいものですから、体の状態によって味が劇的に変わってしまうんですね。

どんな症状で漢方療法に来られる方が多いですか?

自律神経失調症と診断されて、これといった治療が見つからないまま不調が続いているといった方ですね。そういった悩みをお持ちの方は閉経前後の女性に多いですが、最近は若い女性の患者さんも、「安定剤を飲みたくないから」「妊娠を考えているので」などの理由で、漢方療法を希望される方が増えています。
アトピー性皮膚炎などのアレルギー体質で悩んでいる方も来られます。漢方はステロイド剤のような症状を抑えるお薬ではなく、症状のもとになる原因を根っこから治していくものですから、併用して飲んで頂くことで体質が改善され、症状が出にくくなります。喘息のように既に発病している段階でも、更には疲れやすい、風邪を引きやすいといった「未病」と呼ばれる発病の前段階においても効果的で、また不妊治療やがんの補充療法にも、広く漢方が取り入れられています。

子どもに漢方薬を飲ませても大丈夫ですか?

問題ありません。むしろ子どもは、大人のようにいろんなものを食べて体が毒されていませんから、効果が出やすいのです。漢方で体質改善への方向性をほんの少し付けてあげるだけで、あとは自己治癒力で治していきますから、治りが早くてこちらが驚かされることもありますよ。

副作用の心配はありませんか?

副作用はゼロではありません。薬草によっては重篤な副作用が出ないとも限りませんから、そこはちゃんと見極めて処方しなければいけません。ただ、漢方薬の副作用は、現代医学のお薬の100分の1以下だと言われており、出現率ははるかに少ないです。妊婦さんでも服用できますし、眠気は一切起こりませんから、車の運転中に眠くなるのは困るという方にはおすすめです。
ただ、「漢方薬の過信は禁物です」と、患者さんにはお伝えしています。医療の基本はあくまでも西洋医学ですから、先ずは西洋医学でアプローチをして、足りない部分は漢方で補完していくというように、上手く併用していくことが大切です。漢方を補助的に取り入れることで、西洋医学と東洋医学の両方のメリットを生かせる治療になればと思います。

自律神経失調症や更年期障害からくる頭痛、動悸、イライラする、ほてりといった不定愁訴には、オーダーメイドの治療ができる漢方医療で体質改善|天野医院|天野雅夫 先生
精神科・神経科・内科を中心に、西洋医学と東洋医学のメリットを生かした幅広い診療を行っている
 

そもそも天野先生が漢方療法を取り入れたのはなぜですか?

当院は精神科と内科を標榜しています。家業が精神科だったため、途中で精神科に転科しましたが、もともとは内科が専門でした。
内科時代は、治らない患者さんにたくさん出くわしましたが、医学部では漢方は学ばないんですね。今でこそ厚労省が東洋医学を認めて、医学部で漢方の講座が受けられるようになりましたが、僕が卒業した時点では西洋医学の一本やりで、治らない患者さんと向き合う度に「何かしてあげられることはないか?」と悩み、あがいてきました。暗中模索した結果、現代医学では「治らない」とされている病気でもなんとかしようとする漢方に希望を感じ、漢方の門をたたきました。いい師匠に出会えたことも、背中を押されるきっかけになりました。
茶道などと一緒で漢方には流派がありまして、中国で生まれそのまま発展した「中医学」と、日本で独自の進化を遂げた「日本漢方」がありますが、僕は日本漢方を専門にしています。
現在は精神科医と漢方専門医の2足のわらじで、西洋医学と東洋医学の両方からのアプローチで治療の幅を広げながら、患者さん1人ひとりに合う医療に取り組んでいます。


不定愁訴で苦しんでいる方へメッセージをお願いします。

どの科に相談しても「あなたは病気ではない、自律神経か更年期のせいでしょう」と言われ、不調を我慢しながら自己嫌悪に陥っている方も大勢います。たとえ重篤な病気ではないとしても、その方が症状に悩んでいるのは真実ですから、そこにスポットライトを当て医師として救っていかなければならないと感じています。
医学のなかには、患者さんの苦しみにきちんと向き合ってくれる医学があるということを是非知ってもらいたいと思います。原因の分からない不調で苦しんでいる方や、「治らない病気」だと言われて悩んでいる方にとって、漢方が明るい展望になれば嬉しいですね。


医師のプロフィール

天野雅夫先生

●愛知医科大学医学部医学科卒業
●公立陶生病院(内科)
●広島大学医学部精神神経医学教室
●府中みくまり病院
●児玉病院


‐資格・所属学会‐
・精神保健指定医
・日本精神神経学会精神科専門医・認定医
・日本東洋医学会認定漢方専門医
・日本医師会認定産業医・健康スポーツ医
・オレンジドクター(広島県もの忘れ・認知症相談医)
・広島県がんよろず相談医(広島県がん対策サポートドクター)
・広島家庭裁判所家庭裁判所技官
・広島市中区高齢者虐待防止ネットワーク運営委員会委員
・広島市医師会産業医委員会委員

 

 
 

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