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子どもの歯並び、「出っ歯」「受け口」「開口」は顎の成長を促す小児矯正が有効。矯正装置や治療時期について説明します。虫歯チェックの感覚で、矯正専門医に気軽に歯並び相談してみましょう【こうの歯科・矯正歯科 院長 河野 信也先生】 | 病気や症状。治療や予防に役立つ 病院・医院・クリニック情報サイト『広島ドクターズ』
(この記事は2013年6月17日時点の情報です)

河野信也 先生(歯科)

気になる子どもの歯並びは、矯正歯科の専門医に気軽に相談

 
こうの歯科・矯正歯科
【住所】広島市安芸区矢野東4-4-27
【TEL】 082-516-5655
子どもの歯並び、「出っ歯」「受け口」「開口」は顎の成長を促す小児矯正が有効。矯正装置や治療時期について説明します|こうの歯科・矯正歯科|河野 信也 先生
矯正専門医の河野院長は、的確な小児矯正で子どもたちの健やかな歯の成長をサポート。地域の親御さんに頼りにされている
 
今まで子どもの歯並びが悪いなんて感じたことなかったのに、園や学校の歯科検診で歯並びを指摘されてショック…。見た目はきれいに整って生えているように見えるのに、どうして?
お子さんの虫歯予防に関しては、小児歯科で健診を受けたり、食事や歯磨きに気を配るお母さんが増えてきましたが、歯並びについてはよく分からないという方も多いのでは?
今回は、一般の小児歯科診療のみならず、矯正専門医として子どもの歯の健康を幅広くサポートしている「こうの歯科・矯正歯科」の院長、河野信也先生に、小児矯正歯科についてお話を伺いました。
小児矯正のメリットや矯正が必要なケースの症例、小児矯正で使われる矯正装置について、分かりやすく説明して頂きました。

「歯並びが悪い」というのはどんな状態ですか?

歯並びが悪い状態というのは、成人矯正と小児矯正で意味合いが違ってきます。顎が発達段階であるお子さんの場合は、見た目だけで判断するのではなく、顎の成長に伴って将来の歯並びに悪い影響を及ぼすかどうかで、矯正の必要性を考えていかなければなりません。
下の前歯が少しガタガタしているように見えても、顎の上下のバランスが良く、左右どちらかにずれている状態でないのなら、顎の成長自体は問題ないと思われます。このような場合は、永久歯が全部生え終わってからでも十分治療できますので、慌てて矯正する必要はありません。
ですが、上顎前突といって上の前歯が前に出ている「出っ歯」や、反対咬合である「受け口」、前歯がかみ噛み合わない「開口」といった症例は、顎の成長自体に問題があるため、早めに治療を開始した方が良いケースが多いです。

矯正が必要な歯並びかどうか、お母さんが見て分かりますか?

受け口の場合は、お母さんが見て分かることが多いのですが、出っ歯や開口は気づきにくいかもしれません。学校の歯科健診や一般歯科で虫歯治療の際に「歯並びが悪い」と言われて、びっくりされる方も多いと思います。
歯並びを指摘されたからといって、すぐに矯正をしなければいけないということはありませんが、顎の成長自体に問題があるのかどうかの確認は、矯正歯科を専門的に診療している歯科で一度ご相談される方がいいですね。
顎の骨はいわば歯の土台で、その土台となる部分から治せるのは発達段階である子どもの時だけです。顎の成長が見込めない大人になってからの矯正となると、時間的にも費用的にもかかってきますから、将来的なことを考えると小児矯正を選択される方が治療の負担は抑えられるのではないでしょうか。

歯並びが悪いのは遺伝が関係するのでしょうか?

受け口に関しては遺伝的要素が強いですね。受け口の人が多い家系では、受け口のお子さんが生まれてくる確率は高く、ご両親がどちらも受け口の場合はほぼ100%の確率でお子さんは受け口になるといった報告もあります。
遺伝に限らず、同じ生活環境にいる親子は似ているものですから、ご自分も昔から歯並びが気になっていたという方は、お子さんの歯並びも慎重に見てあげた方がいいと思います。

矯正が必要となれば、何歳から始めたらいいのですか?

小児矯正は顎の成長をコントロールしながら行いますので、顎の発育が最も活発な時期が治療に適した時期だといえます。ただ、成長には個人差があるので何歳から始めるのがよいとは一概には言えませんが、6歳臼歯プラス、前歯が2本ずつ永久歯に生え変わる小学校1、2年生頃から治療を開始するのが理想的ではないでしょうか。ただ、女の子は顎の成長が止まるのが早く、小学校5、6年生になる頃には成長が終わっている子もいるので、早くから治療をスタートさせた方が良い場合もあります。
また、上顎の真ん中に正中口蓋縫合というのがあるのですが、ここの骨がまだ固まらないうちであれば無理な力をかけずに上顎を広げる矯正が可能です。正中口蓋縫合が骨化してしまう年齢が早いため、そういった意味でもお子さんの歯並びが気になる方は早い段階で一度、矯正の専門医に見てもらった方がいいですね。まだ永久歯に生え変わっていない時期でも、矯正の専門医が見れば、「この子は早く始めたほうがいい」というのが分かりますので、矯正開始時期などアドバイスしてもらえると思いますよ。

いずれ抜けてしまう乳歯があっても矯正できるのはなぜですか?

せっかく乳歯を動かしても、永久歯に生え変わったらまた変なところから生えてしまうのでは? と不思議に思う方もいるかもしれませんね。
小児矯正は乳歯を正しい位置に動かすのが目的ではなく、乳歯が抜けて新しく生えてくる永久歯のために、歯が入るスペースを確保するための治療です。歯並びの土台となる顎の成長を促しながら、顎のバランスや大きさを整えていき、永久歯が正しい歯列で生え揃うように導いていきます。小児矯正のメリットは、歯が入るスペースを作るために歯を抜かなくてもよいという点です。顎の成長をコントロールすることで、無理のない治療を行うことができます。

小児矯正で使う装置は大人のものとは違うんですか?

成人矯正では針金を歯列全体につける装置が主流ですが、小児矯正では自分で取り外しができる床矯正装置やマウスピースのような装置が多く使われます。受け口の治療ではチンキャップといって、自宅にいる時や睡眠中に下顎を押さえるために帽子のようなものを頭にかぶって装着するものもあります。
小児矯正に使う着脱式の装置は1日8〜10時間くらいつけるものが一般的です。大人のように装置をつけっ放しにするのではなく、家にいる時だけつけることが多いですね。
どの装置を使うかは治療目的にもよりますが、患者さんの希望を聞いたうえで選択します。親御さんの中には、「取り外しの装置だと、うちの子はサボってやらないかもしれないので、固定式にして欲しい」という方もいますし、「前歯につけるのは目立つからイヤ」という女の子でしたら、歯の裏側に装置を取り付けるものを提案したりします。
いろんな装置の選択肢を紹介して、お子さんが一番使いやすいもの、お子さんに負担のかからないものを使うようにします。

治療が始まったらどのくらいの間隔で通院しなければいけませんか?

治療がスタートして1か月は、装置に不具合がないか確認するため、1週間に1度来院してもらうことになります。装置に慣れるまではお子さんが壊してしまうことも多いですし、口内炎ができてしまう子もいますので、お口の中全体の健康をケアしながら、装置が順調に機能するように環境を整えていきます。
問題なく装置が安定すれば1か月に1回くらいの来院ペースになります。力がちゃんと加わってうまく歯が動いているかをチェックし、装置を調整して、歯みがき指導を行います。

歯ブラシ指導をしてもらえるのですね。

せっかく矯正治療を頑張って歯並びがきれいになったのに、装置をはずしたら虫歯になっていたというのでは問題です。乳歯や生えたばかりの永久歯は虫歯になりやすいので、小児矯正の治療中は虫歯予防に努めます。矯正装置を調整している間に、歯科衛生士がお子さんの歯を磨いたり、歯みがき指導を行います。
当院は一般の小児歯科も診療しており、子どもの虫歯予防にも力を入れていますが、「歯みがき頑張ってね!」って言うと、「いーち、にー、いーち、にー、」って、力いっぱいゴシゴシやってしまう子が多いんですね。一生懸命磨こうとしているのは伝わってくるのですが、このやり方だと歯の表面はきれいになるけど、歯と歯茎の間の根元の汚れまで取れません。力を入れ過ぎてしまって、歯茎から血が出ることもあります。
歯みがきは歯茎を優しくマッサージするような感じがいいんですね。歯ブラシをローリングさせて歯茎に転がすように磨けば、矯正装置がついていてもきれいに磨くことができます。自宅でも正しい歯みがきができるよう歯ブラシの模型を用いるなどして、お子さんに分かりやすい歯みがき指導を行っています。

身の回りの管理もできない子どもに矯正ができるのか心配です。

最初はやはり痛みもありますし、装置の付け外しを嫌がる子もいます。小児矯正を始めるうえで大切なことは、お子さんに治療の意味をきちんと伝えておくことです。
「ちゃんとやりなさい」「頑張りなさい」と言うだけでは、お子さんはやってくれません。痛みがあること、時間がかかること、通院が必要なことをちゃんと説明して、「でも頑張ったら、こんないいことがあるんだよ」と話せば、小学校低学年のお子さんでも十分理解し、やる気になってくれます。
また、小児矯正では親御さんの協力が不可欠です。装置の付け忘れがないかチェックしたり、仕上げ磨きをしたり、舌を出す癖や指しゃぶりなど、歯並びに影響する習慣を直す訓練もしていかなければなりません。治療が完了するまでは長期に渡って親御さんのサポートが必要ですが、「自分のためにお母さんも頑張ってくれている」ことが伝われば、お子さんも協力的になってくれるはずです。

子どもの歯並び、「出っ歯」「受け口」「開口」は顎の成長を促す小児矯正が有効。矯正装置や治療時期について説明します|こうの歯科・矯正歯科|河野 信也 先生
むし歯から歯並びまで専門技術でお口の中全体の健康を守る「こうの歯科・矯正歯科」
 

お子さんの歯並びが気になっている方へアドバイスをお願いします。

矯正治療が当たり前のように普及している欧米と比べて、日本ではまだ小児矯正に対する意識は低いです。アメリカでは矯正は親がちゃんと子どもの歯を見てあげている証であり、矯正はステータスだと考え、わざと装置を見せるようなこともするんですが、日本では、「恥ずかしい」「かっこ悪い」といった気持ちの方がどうしても強い傾向にあります。
しかも、治療期間が長いうえ、保険が適応されないため費用も安くはありませんから、いつ矯正を始めるか、本当に矯正をした方がいいのか、皆さんいろいろ悩まれると思います。子どもの歯並びが気になっているけど、矯正相談には行っていないという方も多いのではないでしょうか。
矯正歯科で見てもらったら、すぐに治療をしないといけないということはありません。中には早い時期に開始した方がよいケースもありますが、矯正の必要がない場合もありますので、もしお子さんの歯並びが気になっているようでしたら、一度、矯正の専門医に見てもらってはいかがでしょう。最近では、当院のように相談料をとらないクリニックも多いですし、僕は小児歯科で来られたお子さんの虫歯治療の際に、歯並びの確認もするようにしています。
虫歯のチェックをしに行く感じで、気軽に相談してもらえたらと思います。適正な判断をしてもらえば、親御さんもきっと安心できますよ。



医師のプロフィール

河野 信也先生

●広島大学歯学部卒業
●広島大学大学院歯科矯正学終了(博士号取得)
●フロリダ大学留学
●日本矯正歯科学会認定医
●広島大学大学院医歯薬学総合研究科助教
●二木歯科医院勤務

‐資格・所属学会‐
・日本矯正歯科学会 認定医

 

 
 

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