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脳卒中、心筋梗塞、腎不全を引き起こす高血圧。減塩・運動・血圧測定の習慣化で正しく予防と治療【大島内科循環器科 院長 大島哲也先生】 | 病気や症状。治療や予防に役立つ 病院・医院・クリニック情報サイト『広島ドクターズ』
(この記事は2013年8月26日時点の情報です)

大島哲也 先生(内科)

「ある日突然!」が高血圧の怖いところ。予防には減塩・運動・血圧測定の習慣化!

 
大島内科循環器科
【住所】広島市西区己斐本町1-16-11
【TEL】 082-271-1333
脳卒中、心筋梗塞、腎不全を引き起こす高血圧。減塩・運動・血圧測定の習慣化で正しく予防と治療|大島内科循環器科|大島哲也 先生
日本血圧学会専門医兼指導医でもある大島院長は高血圧治療のスペシャリスト
 
ある日突然、死につながる病気を発症させる恐ろしい「高血圧」。50代では50%の確率で、60代では60%、70代だと70%…、と足音を立てずに私たちに忍び寄り、健康を脅かす厄介な病気です。
「日本人の国民病」とも呼ばれるほど、誰もがかかり得る病気であるにも関わらず、正しく理解されていないことが多いのも事実。「高血圧の症状って頭痛やめまい?」「そもそも血圧が高いとなぜ危ないの?!」
そこで今回は、「大島内科循環器内科」の院長、大島哲也先生に、高血圧の正しい知識について伺いました。血圧を下げるお薬の正しい知識や、食事療法が楽しくなるような素敵なヒントも教えて頂きましたよ。

血圧が高いとどうしていけないのですか?

血圧が高いと良くないことは皆さんご存知だと思いますが、高血圧について正しく理解されていないことが多いように思います。よく「高血圧で頭が痛い、めまいがする」とおっしゃられる方がいますが、これは100%ありえません。高血圧そのものに何か症状があるわけではないんです。
それだと疑問に感じますよね。「症状がないのなら、治療しなくてもいいのでは?」と。日常生活で困っている症状がなければ、今すぐ治療する必要がないように思いますし、検診で血圧を指摘されても、「命に係わる病気」という実感はわかないですよね。でも、そこが高血圧の怖いところなんですよ。
高血圧は進行に伴い、様々な臓器にダメージを与えていきます。血圧の数値が發韻譴仆転匹箸い辰織ぅ瓠璽犬鬚持ちかもしれませんが、実はそうではなくて、どれだけ臓器障害が起きているかが問題なのです。特に影響を受けやすいのが、脳と心臓と腎臓。つまり、「脳卒中」「心筋梗塞」「腎不全」といった恐ろしい病気が、高血圧によって引き起こされてしまう恐れがあります。
「脳卒中」は寝たきりになってしまう原因の1位。「心筋梗塞」は日本人の死因2位をしめる病気です。症状がないからと言って高血圧をそのまま放っておくと、気付かない間に臓器がやられ、ある日突然死につながる怖い病気を発症してしまうのです。

高血圧の診断基準についてお聞かせください。

血圧とは心臓から血液を送り出す圧のことで、心臓が収縮する時の「収縮期血圧」と、拡張している時の「拡張期血圧」の2つで表します。高血圧の定義は、かつては「収縮期血圧(上の値)160・拡張期血圧(下の値)95以上」とされていましたが、現在では「収縮期血圧(上の値)140・拡張期血圧(下の値)90以上」に診断基準が変わりました。高血圧と診断される範囲が広がったわけですが、これは境界域の人も治療をしなければ、多くの人が脳卒中や心臓病に侵されてしまうことが世界中の疫学データから分かってきたためで、1999年に今の診断基準が世界的に統一化されました。
血圧測定では数値結果ばかりに目が行ってしまいますが、実は正しい測り方で測定したかが非常に重要なんです。
横になった姿勢で測ったり、指や手首で測ったのでは正しい測定とは言えません。国際的なスタンダードは水銀血圧計を使い、座って測るのが原則です。手の位置を心臓の高さまで上げて腕を測定します。
健康診断では1回しか測らないことがほとんどですが、測定する時に緊張していて、本来は正常な血圧の人がたまたま高い数値が出てしまうこともありますから、最低3、4回測らなければ正しい血圧は分かりません。

正しく血圧測定することが重要なんですね。

血圧が正常な人が、誤診によって血圧を下げる降圧剤を飲むと大変なことになりますから、正確に血圧を測定することはとても大切なんです。
患者さんの中には「白衣性高血圧」といって病院に来ると緊張して血圧が上がってしまい、偽の高血圧と診断されてしまう人もいます。逆に、「隠れ高血圧」というのもあって、本当は高血圧なのに、病院の血圧測定では偽の正常数値が出ることがあります。喫煙は血圧を上昇させる原因の一つで、チェーンスモーカーの人に高血圧が多いのですが、病院にいる間はタバコが吸えないので検査の時だけ正常な数値が出てしまうんです。家庭内にストレスの原因があって病院にいる時の方が落ち着くという方にも多く、誤診によって治療の機会を逃してしまうことにもなるためこれもまた問題です。
間違った診断を招かないためには、普段の血圧の動きを把握しておくことが重要です。最近では家庭用の血圧測定器も性能が良くなりましたので、自宅でも定期的に血圧を測る習慣をつけて欲しいと思います。

高血圧になる人はどれぐらいいるのですか?

高血圧になる頻度は、「年齢パーセント」と言われています。つまり、30歳なら30%、50歳なら50%、70歳なら70%の人が高血圧になるとされています。50歳を過ぎると半分以上の人が高血圧になるのですから高い頻度ですよね。
高血圧になる主な要因は、遺伝が大きいと考えられており、両親のどちらかが高血圧だと8割以上の確率で高血圧になります。先ほど、家で血圧を測る習慣をつけて欲しいとお話しましたが、血圧が高い家系では家族全員で実践してもらいたいですね。また、高血圧に限らず、自分と血のつながった人の病歴を知っておくことは、病気を予防するうえでとても大切です。

遺伝以外の環境要因についてお聞かせください。

高血圧の原因としては、塩分摂取、運動不足、肥満、ストレス、睡眠不足、飲酒、喫煙などが挙げられますが、なかでも高血圧の予防・治療に有効なのは、「減塩」と「運動」です。
塩分摂取量が10g/日を超える国というのは世界的にみてほとんどない中、なんと日本は平均12g/日。味付けの濃い地域だと20g/日を超えるところもあり、韓国と並んで塩分摂取量が多い国です。
高血圧の治療では6g/日の塩分摂取量にするよう指導します。麺類や漬物などの食塩が多く含まれる食事をひかえて、塩分を減らす効果のある「カリウム」「マグネシウム」「カルシウム」をとるような食生活に改善していきます。
運動も高血圧の予防・治療に効果的ですが、息を止めて腹筋を使うような運動は、むしろ血圧を上げてしまうためNGです。筋トレのような体を鍛える運動ではなく、血流を増やすための有酸素運動が適しています。人と話ができるくらいの穏やかな運動を長く続けることが望ましく、血流が最も多い太ももを動かすような「泳ぐ・歩く・自転車をこぐ」がいいですね。運動中は少し血圧が上がりますが、運動の前後では10から20は血圧が下がりますよ。


生活環境が血圧に影響することがあるんですね。

ストレスが原因で血圧が高くなることがあります。仕事でストレスを抱えていた人が、定年退職した途端、降圧剤がいらなくなったり、家族の介護で大変だった人が、病気の方が亡くなられて介護に手がかからなくなって、血圧が落ち着いたケースもあります。その逆もあって、夫婦喧嘩の後に一気に200ぐらいまで上昇してしまったなんて人もいます。
睡眠不足も高血圧の原因になります。睡眠不足の2大要因は「睡眠時無呼吸症候群」と「夜間頻尿」なんですが、これらの病気の症状が改善された途端、血圧が下がることが多いです。
また、季節によっても血圧は変わります。気温が暖かいと血管が開くため、血圧が下がりやすく、「冬は高く、夏は下がる」傾向にあります。特に夏は汗と一緒に塩分が出ていくので、冬は降圧剤が必要だけど、夏場は飲まなくても大丈夫という方も患者さんの中にはおられます。

高血圧の診断がついたら、どのような検査をするのですか?

高血圧によってダメージを受けやすい臓器、「脳、心臓、腎臓」に機能障害がないか検査を行います。脳に関しては知らない間に脳梗塞が起きていないかMRIやCTを使った検査を行い、心臓に関しては心臓肥大がないか心電図で調べます。腎臓に関しては蛋白尿が出ていないかなどを見ていき、これらの臓器が高血圧によってダメージを受けていればすぐに治療が必要となります。
臓器の機能低下がないようなら、そこまで焦ることはありません。ただ、脳梗塞や心筋梗塞を発症させる4大危険因子というのがありまして、「コレステロール」「糖尿病」「喫煙」「高血圧」のうち複数のリスクを持っていると、病気になるリスクが掛け算で高まっていきますから、血圧を下げる治療に併せて、他のリスクも改善していく必要があります。

高血圧の治療についてお聞かせ下さい。

高血圧の場合、いきなりお薬を飲み始めるのではなくて、まずは食事療法と運動療法を1ヵ月間やってみて、それで改善されなければお薬を使うようにします。
高血圧のお薬は7,8種類あり、患者さんによって使い分けることが重要です。高齢の方にしか効かないものもあれば若い人にしか効かないお薬もありますし、血圧を下げるだけでなく蛋白尿を減らすもの、心臓病を抑えるものと、お薬によって効き方が違ってきますから、患者さんの背景ごとに降圧剤を選択しなければなりません。ホルモンのバランスをみたら、どのお薬がその方に適しているか分かります。「これが効かないから、これも併用、あれも併用」という具合に、お薬の種類が増えてしまった人は、一度高血圧の専門医に相談して、自分に合ったお薬を処方してもらうことをおすすめします。
高血圧の治療で1つ大事なことは、高血圧はタイプによって治療内容が異なります。高血圧全体の90%は、遺伝因子と環境因子が関係している「本態性高血圧」といって、原因がはっきり分からないものですが、10人に1人は副腎や腎動脈などに原因があって血圧が上がっている「二次性高血圧」の可能性があります。
頻度として高いのは「原発性アルデステロン」と「腎血管性高血圧」。原発性アルデステロンは副腎全体からアルドステロンというホルモン分泌が過剰になることで血圧が上がるもので、もう一つの腎血管性高血圧は、腎動脈が狭くなることでレニンという血圧を上げる働きのあるホルモン分泌が増す病気です。
これら二次性高血圧は、処置や手術でもともとの原因を取り除けば、お薬を飲まなくても血圧が改善され根本的な治療が可能です。ホルモンの検査をすればすぐに分かりますので、高血圧の治療を始める際は正確な診断を受けるようにしましょう。

脳卒中、心筋梗塞、腎不全を引き起こす高血圧。減塩・運動・血圧測定の習慣化で正しく予防と治療|大島内科循環器科|大島哲也 先生
正確な高血圧診断と丁寧な診療で地域の患者の健康を生涯にわたってサポートしてくれる。
 

高血圧とは違って、低血圧の場合も治療が必要ですか?

基本的に低血圧というのは、病気として認められていません。血圧が低いこと自体問題はありませんが、血圧がいきなり低下してしまう「起立性低血圧」だと注意が必要です。
血圧は常に変動しているもので、姿勢によっても変わります。起立性低血圧とは急に立ち上がった時や何かの拍子に血圧が大きく下がってしまうもので、急激な血圧の低下により脳への血流が減ってしまい、ふらついたり意識障害を起こすことがあります。小学校の朝礼で倒れたりするのもこの起立性低血圧です。
血圧が単に低いだけなら治療する必要はありませんが、意識障害を伴うような血圧の変動がある場合は一度受診された方がいいですね。

最後に「広島ドクターズ」の読者にアドバイスをお願いします。

高血圧の予防の第一歩は「自分の血圧を知っておくこと」。そのためにも、定期的に血圧を測る習慣をつけて欲しいと思います。そして、「減塩」「運動」です。
ただ減塩が大切だと言っても、薄味のメニューばかりだと飽きてしまいますよね。たまには麺類を食べたり、外食だってしたいはずです。
「こだわりのヘルシーグルメDietレストラン」というのがあるのをご存じですか? 広島大学循環器内科同門会共催で行っているのですが、呉や広島の飲食店に塩分3g以下でカロリーの少ない料理をメニューに加えてもらえるようお願いして、食事療法中でも患者さんが安心して外食を楽しめるような運動を行っているんです。私もヘルシーグルメに協力していて、この近くだと「はっぴ」という手打ちそばのお店と、「福ちゃん」というお好み焼屋さんにお願いして減塩メニューを作ってもらっています。
このヘルシーグルメは徐々に注目が高まっていて、東北の方が視察に訪れるほどなんですよ。和食、フレンチなど、お店のジャンルが幅広く、お酢やダシを上手に使って味付けされていて、減塩メニューとは思えないほど美味しいお料理が楽しめます。家庭で減塩料理を作る際の参考にもなりますよ。サイトや雑誌で減塩メニューのあるお店が紹介されていますので、是非見てみてください。



医師のプロフィール

大島哲也先生

●順天堂大学医学部 卒業
●広島大学第一内科 循環器研究室入局
●広島大学医学部大学院
●米国オレゴン医科大学
●広島大学循環器内科学准教授

‐資格・所属学会‐
・日本内科学会認定医
・日本循環器学会専門医
・日本高血圧学会専門医

 

 
 

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