(この記事は2013年10月22日時点の情報です)
野村 昌利 先生(歯科)
虫歯・歯周病の患者さんがいない歯科医院を目指して予防歯科に注力
野村歯科医院
【住所】広島県安芸郡府中町鶴江2-12-11
【TEL】 0120-648-814 082-284-3232
患者を第二の家族と考え、一生涯を見据えた歯科サポートをする野村院長
1987年の開業以来、小さなお子さんから高齢の患者さんまで、地域のかかりつけ医として親しまれてきた「野村歯科医院」。ここの歯科医院の特徴は、虫歯のない患者さんが多く通うこと。
「治療が済んだら終わりじゃないんですよ。そこがスタートです」と話すのは、予防歯科に力を入れる院長の野村昌利先生。患者さんの生活習慣から見直し、歯を悪くする原因から解決する予防歯科を実践。優秀な歯科衛生士を揃え、質の高いデンタルケアと歯科ドックに取り組んでいます。
ただ、予防のための通院を患者さんに意識づけさせることは難しく、多くの歯科医院の課題であるといいます。野村先生はどのように、患者さんの予防意識を向上させているのでしょうか?
今回は患者さんの一生涯を見据え、お口の健康を守り続ける野村先生の診療にかける思いや展望についてお聞きしました。
こちらの医院にはどんな方が通われていますか?
住宅地の中にある歯科医院ですので、ご家族で通われている方が多いです。この辺りは団地が多いのでご高齢の患者さんが多かったのですが、最近は新しいマンションがたくさん建って、30代のご夫婦や小さなお子さん連れのニューファミリー世代の方も増えてきました。
親子で、または三世代でかかりつけにされている方もいらっしゃって、お話をしていくうちに「○○ちゃん、お孫さんだったんですね」なんてこともありますよ。
患者さんはほとんどがご近所の方なので顔を覚えて、お話した内容もできるだけ忘れないようにしています。自分のことを相手が覚えてくれていることは、誰でも気分がいいですからね。
高齢の患者さんの中には、歯科に来るだけで大変な方もいらっしゃいますから、ご希望があれば往診も対応しています。
子どもの患者さんも多いんですね。
初めて治療を受ける子や歯医者さんに慣れていない子にとって、歯医者さんは「怖いところ」といったイメージが強いです。そこへ最初からいきなり男の先生が登場したらさらに怖いでしょうから、まずは女性の歯科衛生士が対応し、お口の中を見せてもらって、少しずつ雰囲気に慣れてもらうようにしています。
時間をかけて丁寧に接していけば、スムーズに治療へ移行できるケースがほとんどですから、私の方針としては治療を嫌がるお子さんを無理に抑えつけて治療をするようなことはしません。最初は待合室で大泣きしていた子も、何回か通っているうちに恐怖心が和らいできて、1人でちゃんと診察台に座ってくれるようになりますよ。
治療を頑張ったお子さんにはご褒美に可愛い消しゴムやキシリトールのガムを渡しています。「次も頑張るね!」と笑顔で言ってもらえた時は嬉しいですね。
カウンセリングはどのように行うのですか?
初めての方には、必ず自己紹介をします。当たり前のことではあるんですが、患者さんにしてみたら「どんな先生だろう?」と不安でしょうから、きちんと挨拶をして、顔と名前を憶えてもらってからカウンセリングを始めます。
カウンセリングでは、お口の中の状態と今後の治療方針について、画像を確認しながらビジュアル的に説明します。「こういうことが聞きたいだろうな」ということは、こちらが患者さんの気持ちを汲んで質問される前に説明するようにし、患者さんの立場に立ってできるだけ分かりやすくお話するようにしています。
また、初診の際は患者さんのお口のプラークを取って、それを顕微鏡で見て頂いてます。顕微鏡の中で動いているのを見ると、プラークが単なる食べかすではなく細菌であるということが分かります。実際にご自身の目でご自身の細菌を見ることで、どうして虫歯や歯周病になってしまうのかが理解でき、治療にも積極的に取り組んでくれるようになります。
野村先生は予防歯科に力を入れてらっしゃるそうですが。
治療して痛みが解消されたら、「悪いところが治った!」と思われる方が多いですが、虫歯を削って詰め物や被せ物をすることは、あくまでも「修理」「補修」なんですね。歯を健康に守っていくためには、治療が終わってからが肝心で、生活習慣を見直し、定期的に歯科健診やクリーニングを受け、いかに良い状態を維持していくかが重要になります。
ですが、「予防しましょう」と呼びかけたところで、患者さんのモチベーションが低ければ、途中で挫折してしまうのも無理はありませんから、予防が大切だということを患者さんに気付かせてあげなければなりません。
例えば、歯周病ではそのメカニズムや症状を説明するだけでなく、見た目はきれいに見えてもレントゲンで確認すると骨が溶け始めていて、気付かないうちに歯周病が進行しているケースもあることや、糖尿病との関わりが深いこと、歯周病菌は伝染するため家族の健康を守るうえでも予防が必要なことをお話したうえで、適切な予防を続けていれば歯周病から大切な歯を守ることができるのだと知ってもらいます。
「だから予防が必要なんだ」と患者さんご自身が予防の大切さに気付けば、進んで定期検診やメンテナンスに通ってくれるようになり、お口の中がきれいになっていくことに喜びを感じられるようになります。
誰でも、人から「これをやりなさい」「あれをやりなさい」と強制されるのは嫌なものです。予防を無理強いしても結局は続きませんから、予防の大切さをお話して患者さんの意識を変えていくしかないんですね。
「治療して終わり」ではなく、その後も患者さんといい関係を築きながら予防へのモチベーションを上げていくことも、歯科医師の重要な役目だと思っています。
虫歯や歯周病には生活習慣が影響するそうですね。
歯が悪くなるのは、その方の生活習慣に何らかの原因があるからで、その原因を取り除かなければ治療の繰り返しになり、いずれ歯を失ってしまいます。
ですが、患者さんに「生活習慣で虫歯や歯周病になる原因に思い当たることはありますか?」とお尋ねすると、皆さん首を傾げるんですね。原因が分からなければ、原因を取り除くことはできませんから、どうして虫歯ができてしまうのか、どうして歯周病に侵されてしまうのか、根本的な原因から探っていかなければなりません。
当院では「生活習慣問診票」に記入してもらって、患者さんの生活習慣を見ていきますが、そこから歯に悪影響を及ぼす背景がおのずと見えてきます。例えば、仕事の合間にいつも缶コーヒーを飲んでいる、運動部に所属していてスポーツドリンクをたくさん飲んでいる、子どもの頃からチョコレートが大好きで大人になってからも毎日食べているなど、ご自分では意識せずにやっていたことが、虫歯の原因であったのだと分かります。
まずはそれに気づいてもらい、改善に向けての指導を行い、再発防止のために根本的な原因から解決する治療を行います。
患者さんとのエピソードをお聞かせください。
初めて来院された患者さんだったのですが、虫歯がかなり進行していたので「よく我慢されましたね」と声をかけたところ、ホッとした顔をされたんです。話を伺うと、「なんでここまで放っておいたの?」と怒られるのが嫌で歯医者さんに行きたくても行けず、痛いのをずっと辛抱していたけど、どうしても我慢できなくなって治療に来たということでした。
私も若い頃は、お子さんに虫歯がたくさんあるとお母さんに注意していましたが、今は怒らなくなりましたね。「虫歯になってしまったものは仕方がないので、しっかり治療して、今後虫歯ができないようにしましょう」と、患者さんの気持ちを考えた接し方ができるようになりました。誰でも怒られたくないですからね。最近はスタッフに怒ることもほとんどないですよ。
そんな野村先生のプライベートについてお聞かせください。
読む本がなくなると落ち着かないくらい読書中毒です(笑)。いろんな作家さんの作品を読みますよ。
カレーが大好きで、よく自分でも作ります。あとは、犬の散歩をしたり、買い物に行ったり、休日はゴルフや釣りを楽しむことが多いですね。
2007年に改装した院内は清潔感が溢れ、リラックスして治療が受けられる。カウンセリング室も完備。
最後に、野村先生が目指している歯科についてお聞かせください。
「タービン(歯などを削る回転切削器具)を持たない歯科になりたい」という、自分の理想に少しでも近づければと思います。これも予防の話になるのですが、健康な人がクリーニング、ブラッシング、スケーリングのために来て、「神経を取る治療なんて何年ぶりだろう?」みたいなのが理想です。
患者さんのニーズに応えるために、インプラントの技術を習得したり、いろんな病院で勉強してきましたが、やはり原点に戻るんですね。うちには虫歯の患者さんはいないんだって言える、そんな歯科にしたいです。現実はまだまだですが、痛くなる前に歯科に行く方は徐々に増えてきたのではないでしょうか。
痛くない時の方が歯科の敷居が高く感じる方も多いようですが、当院では定期健診やメンテナンス、歯科衛生士によるクリーニング、ブラッシング指導、歯石除去の他に歯科ドッグを行い、予防と再発防止に積極的に取り組んでいますので、どうか気軽に足を運んでください。
医師のプロフィール
野村昌利先生
●日本大学松戸歯学部卒業
●日本大学松戸歯学部口腔診断学教室入局
●銚子市立病院歯科勤務
‐資格・所属学会‐
・日本歯周病学会
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