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胃がんや胃潰瘍、十二指腸潰瘍だけじゃない!?ピロリ菌がもたらす様々な病気と除菌療法/にんにく注射ってどんなもの?|とよた内科クリニック|豊田昌弘 先生 | 病気や症状。治療や予防に役立つ 病院・医院・クリニック情報サイト『広島ドクターズ』
(この記事は2015年9月8日時点の情報です)

豊田昌弘 先生(内科・胃腸科・循環器科・外科)

胃以外の病気にもつながる!?ピロリ菌 / にんにく注射ってどんなもの?

 
とよた内科クリニック
【住所】広島県広島市安佐南区大塚西3-11-5
【TEL】 082-849-6187

胃がんや胃潰瘍、十二指腸潰瘍だけじゃない!?ピロリ菌がもたらす様々な病気と除菌療法/にんにく注射ってどんなもの?|とよた内科クリニック|豊田昌弘 先生
丁寧で分かりやすい説明が印象的な豊田院長。患者さんをトータルに診てくださる、地域密着型の先生です。
 
ヒトの胃の中に住み着くピロリ菌。
胃がんや胃潰瘍、十二指腸潰瘍だけではなく、血液の病気や免疫異常の病気にもつながる事が分かってきています。
今回は、安佐南区大塚西の「とよた内科クリニック」豊田昌弘院長に、ピロリ菌の検査や除菌、ピロリ菌が原因につながる病気などについてお話しいただきました。
最近話題の乳酸菌・LG21の効果についても聞いてみましたよ。
また、先生が取り扱っていらっしゃる「にんにく注射」についてや、開業されるに至った想いなどもお聞かせいただきました。

ピロリ菌とはどのようなものですか?

ピロリ菌は胃の中に住み着く特殊な菌で、元々日本人、特に高齢者には割と感染率が高かったんです。
近年、衛生環境が良くなったり、人から人にうつる事が分かって、中でもお母さんから赤ちゃんにうつるケースが多いので「あまり口移ししないように」といった事を皆さんが注意されるようになって、感染率は段々減ってきていますが、まだ依然として割とよくみられます。

ピロリ菌に感染するとなにか問題があるのですか?

赤ちゃんの頃は胃の中の免疫が未熟なので、保菌者が口の中で咀嚼して混ざったような食べ物を飲み込む事でピロリ菌が胃の中に入ってしまうと、それが何十年も経って慢性萎縮性胃炎などの胃炎になったり、胃潰瘍や十二指腸潰瘍などの潰瘍の原因になったり、胃がんになりやすかったりします。

年月を経るうちに胃の中のピロリ菌が増えるのですか?

胃の中といっても最初は幽門部(ゆうもんぶ)という出口のところにちょっと住み着いているわけですが、それがだんだん上の方まで広がって住み着くようになっていくんですね。数が増えて生息域が広がる過程で炎症を起こしたり、粘膜が傷んだり治ったりの過程で遺伝子の異常などいろんな要素でがんができたりするという事が分かってきています。

ピロリ菌は便と一緒に体外に出たりはしないのですか?

出ますよ。なので、感染をみるための便中のヘリコバクター・ピロリ抗原という検査もありますが、それは一部が出ているだけでまだまだ胃の中に残っているんですね。
今は保険的な治療(除菌療法)が確立していますので、胃の中を綺麗にしてもらって元気になってもらうという事をやっています。

胃の中にピロリ菌がいる事が分かれば保険適用で治療が受けられるのですか?

保険適用というのは条件がついていまして、1つは内視鏡検査を受けないといけません。バリウム検査や血液検査、便の検査でピロリ菌がいる事が分かってもダメなんですね。内視鏡検査を受けてピロリ感染を確認して初めて保険が受けられるんです。
ですから健康診断の結果を持って来られて相談される事もよくありますが、その方がバリウム検査しかしていなかったら「申し訳ないけどもう1回内視鏡検査を受けてください」という風にしてもらっています。
そしてもう1つ保険を適用するための条件として、これという病気じゃないとカバーしてくれない、というのがあります。その病気というのは慢性胃炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍。
それから今は早期胃がんを内視鏡で治療できるのですが、そういった早期胃がんの内視鏡治療をした後の人。
あとはMALTリンパ腫という、割とおとなしく、なっても一気に悪くなって命が危なくなるようなものではない胃のリンパ腫。
あとは特発性血小板減少症という、胃とはあまり関係ない血液疾患(血液の病気)ですね。
白血病などに比べれば恐ろしい病気ではないんですけど、そういう血液の病気がピロリ菌を除菌するとなぜか良くなるというのが分かって保険適用になっています。
それと同じように免疫の異常をきたすような病気、たとえばリウマチなどはピロリ菌を除菌する事で良くなったという報告もあります。
ですから、保険的には決まっているんですけど胃の病気以外にもピロリ菌を除菌する事で改善する可能性がある病気はたくさんあるんです。

除菌はどのように行われますか?

ヘリコバクター・ピロリ菌を殺す2種類の抗生物質に胃酸を抑える胃薬を組み合わせた3剤を1週間飲んでいただきます。一次除菌というのですが、これで7割前後の人は除菌できます。
万が一それで残ってしまった場合は抗生物質の種類を変えてまた1週間飲んでいただきます。これを二次除菌といいますが、ここまでは保険がカバーしてくれます。

二次除菌をしたらほとんどの方は除菌できますか?

以前は二次除菌までいっても除菌しきれなかった方もいたんですけど、試行錯誤して内服薬の組み合わせを工夫してからは、うちのクリニックで二次除菌に失敗した人は今のところまだいません。

ピロリ菌の保菌者は多いのですか?

今の40〜50代くらいの人だと半数前後ですけど、もっと高齢の方になるとまだ7割くらいの人がいらっしゃいます。昔の日本の衛生環境や食育環境によるものと言えるでしょう。

お子さんでも保菌者であれば除菌した方がいいですか?

潰瘍になったり出血して貧血を起こしたとかいう事の原因になるようでしたら絶対治療するようになりますね。
ただ、大人ほど菌の量が多くないというのがあるんじゃないかと思うんですけど、小児期というのは案外そういうひどい症状を起こす事は少ないと思います。

ではお子さんの場合、症状がなければ放っておいても大丈夫ですか?

何か二次的な別の病気が増えるかというのは今のところまだはっきりわかっていません。
もしかしたら何か悪さをしているのかもしれませんが、残念ながら今のところはそういったデータはまだ出ていないので、これからの研究だと思います。


胃がんや胃潰瘍、十二指腸潰瘍だけじゃない!?ピロリ菌がもたらす様々な病気と除菌療法/にんにく注射ってどんなもの?|とよた内科クリニック|豊田昌弘 先生
大塚郵便局の隣。スタッフの応対も親切で、あたたかみのあるクリニック。
 

ピロリ菌の事はいつ頃から言われ始めたのでしょうか?

実際に研究者の間で発見されたのはもっと前かもしれませんけど、臨床の現場で除菌治療や内視鏡で組織を取って調べるという診断法が確立してきたのは20年ちょっと前くらいですね。

最近はヨーグルトに入っている菌なども話題になっていますが…

LG21ですね。ヨーロッパの方で論文が出ていたと思います。
薬で菌を殺すほどの効果はないけれども、増殖を抑える(増やさない)効果はある、と。
ピロリ菌を死滅させるほどには至らないけど、悪さをさせないように抑え込む事はできると言われています。

ありがとうございます。では、次に「にんにく注射」についてお聞かせください。

うちは保険診療以外にも“元気が出る注射”という事で、にんにく注射をやっています。
病気じゃなくても「疲れている」とか「すごく肩がこる」とか、今年なんかは特に暑かったので「バテている」とかいう時は、これだけでも来てもらったらいいかなと思います。

疲れや体の不調が取れるのですか?

そうですね。割と即効性はあるので実感してもらいやすいと思います。

どれくらいの頻度で打つといいのでしょうか?

お値段は種類によって980円、1980円とそんなに高くしていないんですけど、保険外診療になるので懐事情や体調と相談しながら、状況が許す範囲で受けられるといいと思います。

年齢を問わず、できますか?

70代の人もおられるし、20〜30代前後の女性の方が割と多いですが、定期的に受けに来られていますね。
ファンの人は月1回でも必ず打ちに来られますよ。

疲れた時だけでもいいんですか?

ですね。いいと思いますよ。

効果は何日くらい持続するのですか?

即効性はありますが、効果の持続に関してはそんなに長くないです。大体2〜3日というところですね。

美白効果をプラスしたものもありますね…!

気になりましたか。うちでは3つのコースを設定しているんですけど、美白効果をプラスしたものにはビタミンCを1000mg、アスコルビン酸というのを配合していて、それがシミやくすみの元になるメラニン色素を分解するのを助けるビタミンになります。

にんにく注射というのはビタミンの注射という事ですか?

そうです。にんにくをすりつぶして作っているわけではないです。
工業的に精製されたビタミンB群やビタミンCを、当クリニックのオリジナルで配合して作っているんです。

では、ひとことで「にんにく注射」といってもいろんな種類があるんですね。

ありますね。クリニックによって全然違うと思います。
うちでは何年も続けていらっしゃる方もいますので、いいと思ってくださっているのだと思います。

病気を予防するという類のものではないんでしょうか?

残念ながら、風邪をひきにくくなるとかいうものではないですね。
男性だったらちょっと元気になる(精力がつく)とか、そういう効果はないです。

ありがとうございます。次に訪問診療についてお聞かせいただけますか?

今は、施設の方だったりマンションや戸建の個人世帯にお邪魔したり、15名くらいの方を訪問診療しています。
要介護の高い方や寝たきりの方などの高齢者が多いですが、50代60代でもがんの末期の方など、最期はおうちで迎えたいという希望がある方に対応しています。

大変じゃありませんか?

そんな頻繁に呼ばれるわけじゃないですからね。いよいよ末期の方が最期に近づいてこられたら毎日行くようにはなりますし、看取りもしますけど。
我々がやっているのは在宅緩和ケアで、最期でもやっぱり家族の方が「しんどい」「看られない」とか、ご本人の不安が強い方は病院のホスピスを紹介したり、ケースバイケースで対応しています。

先生は地域の方をトータルで診ていらっしゃるんですね。

ものすごく専門性が高いクリニックじゃないので幅広くなんでも診て、やはり専門が必要なところは専門医を紹介したりしています。

医療が細分化している今、このようなクリニックは地域の方に心強いですね。

そうですね。それこそが開業医の仕事なんじゃないかなと思います。
元々、私の専門は外科で、消化器外科医をしていたんですけど、事情があって内科の方に変わったんです。
その時に、将来的には開業して地域密着型のクリニックで最初から最後まで診てあげられるような医療をやりたいなと思ったんです。
外科だったら手術して患者さんが元気になられたら大体開業医さんのところに帰って行かれますので。最後まで診るという事があまりなかったので、そこに物足りなさを感じていたというのはありますね。
開業して丸8年経ちますが、開院当日からずっと来られている方もいます。有り難い事です。

地域のよいかかりつけ医ですね。

有り難うございます、それに磨きをかけていきたいなと思います。


医師のプロフィール

豊田昌弘先生

●広島大学医学部卒
●広島市立広島市民病院
●県立安芸津病院 
●医療法人茜会(山口県下関市) など

 

 
 

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