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涙道が詰まることで、涙が止まらない、涙が溢れるように出てくる流涙症。流涙症の症状、原因、涙道内視鏡治療について【ひがき眼科 院長 檜垣文雄先生】 | 病気や症状。治療や予防に役立つ 病院・医院・クリニック情報サイト『広島ドクターズ』
(この記事は2013年4月3日時点の情報です)

檜垣文雄 先生(眼科)

涙が溢れ出て止まらない、ハンカチが手放せない「流涙症」について

 
ひがき眼科
【住所】広島市東区牛田本町4丁目2-14
【TEL】 082-502-2115
流涙症 涙が止まらない いつも泣いてる 涙の症状 涙が溢れ出る 涙目 詰まっている 涙道内視鏡 目やに 涙腺 涙嚢 涙液メニスカス ひがき眼科 広島市東区 牛田本町
患者1人ひとりに分かりやすく時間をかけて説明し、納得のいく医療をモットーにしている檜垣先生
 
涙が出るのはどんな時ですか?
悲しい時、嬉しい時、目にゴミが入った時、あくびをした後に涙は出ますが、実は私たちの目の中では常に新しい涙が作られているんですよ。目の中に涙の通り道があって、大切な目を汚れや乾燥などから守り、役目を終えた涙はそこを通りながら鼻の方へと流れていくのですが、その涙の通り道が詰まってしまうことで、涙が上手く排泄されずに涙が溢れ出てしまう「流涙症(りゅうるいしょう)」という症状が起こることがあります。
今回は「ひがき眼科」の院長・檜垣文雄先生に「流涙症」の症状や原因、「涙道内視鏡」を使った治療のお話を伺いました。目に異物が入ってしまった時の処置など、目の健康にまつわる日常生活のアドバイスも頂きましたよ。
 

まずは、涙の役割についてお聞かせ下さい。

涙はまぶたの上にある「涙腺(るいせん)」というところで作られます。分泌された涙は目頭の上下にある「涙点」から入り、「涙小管」を通って、「涙嚢(るいのう)」という涙をためる袋のようなところに入ります。そこから「鼻涙管(びるいかん)」といって、少し太い管から鼻の方に抜けていきます。
涙には殺菌作用の他に、目の表面が乾かないようにうるおし、栄養や酸素を補給する役割があります。実は涙というのは常に作られていて、このような役目を果たし、涙道を通って鼻の方へと流れていくのです。
 

では、涙がたくさん出るのはいいことですか?

ゴミが目に入って痛い時や刺激を感じた時に涙が出るのは、汚れを涙で流して除去するためなのでとても必要なことですが、刺激のない普段の状態でいつも涙が溢れているというのは、やはり問題になるわけです。それが、今回お話する「流涙症(りゅうるいしょう)」というものですが、流涙症の患者さんは絶えず涙が溢れていて、それこそティッシュペーパーやハンカチが手放せないといった状態です。常に涙が出ていると日常生活にも支障が出てしまいますし、涙で視界が見えにくくなり視力低下も起こり得ます。また、人に「いつも泣いている」と言われることが辛くて、精神的な苦痛を感じる方もいますから、流涙症の症状で困っている方には治療が必要になってきます。
 

「流涙症」になると、涙がたくさん出るのはなぜですか?

流涙症で涙がたくさん出るのは、涙道が詰まってしまうことが主な原因です。先ほど涙の通り道のお話をしましたが、そのどこかが詰まってしまうことで、分泌された涙が鼻の方へと流れていかず、排泄されなかった涙が目から溢れ出てしまうのです。
涙道は涙と一緒に汚れが流れていくところなので、細菌感染などにより炎症が起こると詰まりやすくなりますし、生まれつき涙道が細い人や涙の通る道が曲がっている人もいます。また、鼻の病気や鼻の手術によって炎症が起こり、詰まってしまうこともあります。あとは、抗がん剤の副作用によって、涙道が詰まりやすくなることも報告されています。

流涙症の診断はどのように行うのでしょうか?

まずは、涙液メニスカスを測定し、涙がどれぐらいたまっているかを調べる検査を行います。それから涙が鼻に抜けていく道に水を流して、詰まり具合を確かめます。
 

どのような治療を行うのですか?

涙道の詰まっているところを広げて、涙を通りやすくするといった治療が必要になります。
これまでは盲目的にチューブをいれて涙道を広げる方法か、閉塞が進行している場合に「涙嚢鼻腔吻合術(るいのうびくうふんごうじゅつ)」を行うのが一般的でした。涙嚢鼻腔吻合術とは、本来の涙道が使えないほど詰まってしまっている場合に、別の通り道を確保するためのバイパス手術です。涙嚢と鼻を直接つなげるために、涙道の周りの骨を削る手術になりますが、それに対して今は新しく、涙道内視鏡を使うことによって盲目的にチューブをいれるより、正確にチューブが入れられるようになったため、骨を削らなくても良い涙道内視鏡を用いた手術が増えています。
これは、涙道内視鏡を使って涙道の内腔を直接観察しながら、詰まっているところを確認し、涙点からやわらかいシリコンチューブを入れて涙道を広げるといった方法です。手術といっても入院の必要はなく、治療時間も長くはかかりません。術後は経過を観察し、2,3か月でチューブを抜去します。当院でも涙道内視鏡を使った治療を行っていますが、洗顔や入浴も翌日からできるので、患者さんの負担も少ないように思います。効果的な方法ですが、閉塞の程度が重い場合は涙道内視鏡による治療では難しい場合があります。

子どもでも流涙症になりますか?

「先天鼻涙管閉塞」といって、生まれつき涙道が詰まっている子もいます。ただ、自然に開放することも多いので経過を診ますが、涙目で目やにが多いことが続くようでしたら、涙道を開放する治療が必要になります。

目薬で治すことはできないのでしょうか?

涙が通る道は汚れが通っていく道ですから、そこが詰まってしまうと涙道の清潔が保てず、細菌感染によって涙嚢炎(るいのうえん)を引き起こしやすくなります。感染や目やにを抑えるという意味で目薬を使っていただくことはありますが、最終的に涙の通り道を開けていかない限り、流涙症を治すことはできません。
流涙症は人によっては自覚症状が出ない場合もあり、涙道が詰まっていることに気づきにくいこともあります。流涙症がきっかけで何か大きな目の病気に発展することはほとんどありませんが、涙道の感染症を起こしやすいですし、早い時期なら骨を削る手術ではなく、涙道内視鏡を使った治療で治せることが多いので、「涙がたくさん出ておかしい」と感じていたら、早めに専門医に相談されることをおすすめします。

流涙症 涙が止まらない いつも泣いてる 涙の症状 涙が溢れ出る 涙目 詰まっている 涙道内視鏡 目やに 涙腺 涙嚢 涙液メニスカス ひがき眼科 広島市東区 牛田本町
涙道内視鏡を用いた治療に力を入れ、白内障、翼状片、眼瞼下垂、眼瞼内反症、結膜弛緩症、霰粒腫の外来手術を行っている
 

最後に「広島ドクターズ」の読者にアドバイスをお願いします。

涙には目を乾燥させない役割があります。まつ毛の生え際の内側に「マイボーム腺」というものがあり、そこで分泌された油分が涙の成分に加わって、涙の蒸発を防いでいるのですが、そこをアイメイクで塞いでしまうと油分の分泌が悪くなり、ドライアイがひどくなってしまいます。目のふちまでメイクをするのは控えて、お化粧落としの際、特にアイメイクは丁寧に落とすようにしましょう。
お子さんのいるご家庭で、シャンプーや石鹸水が誤って子どもの目に入ってしまい慌てることがあると思いますが、通常は水道水で洗い流してもらえば特に問題はありません。サラダ油なども洗い流せばいいのですが、揚げ物をしていて熱い油が目に入ったという時は、炎症を起こすことがあるので眼科を受診してください。
注意が必要なのは、アルカリ性のものが目に入った時です。日常生活で扱うものでしたら、お風呂のカビ取り剤や、運動場に白いラインを引く石灰などですね。アルカリは角膜や結膜を溶かす性質があり、そのまま放置すると視力障害を招くこともありますから、目に入らないように十分気を付けてください。もし目に入ってしまったら、水道水でしっかり洗い流した後、眼科を受診して適切な処置を受けるようにしてください。
目から入ってくる情報はとても大きいので、目を大切にして欲しいと思います。目の病気に限らず、初期の段階で治療が開始できれば治せる確率も高くなりますから、「おかしいな」と感じたら早めに専門医を受診してください。

医師のプロフィール

檜垣文雄先生

●山梨医科大学卒業
●広島大学医学部眼科学教室に入局
●マツダ病院 眼科
●JA吉田総合病院 眼科
●県立広島病院 眼科
●広島大学医学部付属病院(現:広島大学病院)眼科


‐資格‐
・眼科専門医

 

 
 

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